: O. Yuanying

日本海ライド

秋になると何故か日本海に行きたくなる。これまで三回ほど日本海までロードバイクで走ったが、何故か毎回秋のこの季節であった。そして今回も。

ブルベなどをやってる人達から見たら大したことのない、日本の国道を延々と350km走るだけのライドであるが、最近はリモートワークがメインになったこともあり1ヶ月に一回、150k程度しかロードバイクに乗っていないため微妙に不安であった。が、まあ、休憩などいっさいせずにとりあえず漕いでいれば到着するだろうという短絡的なスケジュールで向かうことにした。

目標

目標は、糸魚川発東京行きの北陸新幹線最終便に間に合うように日本海まで走破する、である。ついでに温泉に入る余裕があれば良いかな、くらい。 要するに、千葉県から日本海までライドして、子供三人の世話を奥さんに任せて一泊するのは憚れるため日帰りする、ということである。

コース

コースはこれまで2011年、2014年と走って見知った道であるはずの、甲州街道から松本に入り19号から白馬、糸魚川へと向かう道。適当にStravaで市川から糸魚川まで引くと確かにそのコースっぽかったのでそれを採用にすることにした。

準備

バイク

使用したバイクは 2015年に購入した Speedvagen 2015 Road。これまでちょくちょくロードバイクを買い替えてきたが、2015年にこいつを買ってから今年まで、浮気もせずにほとんどのライドに利用してきたメインバイク。そういえばこいつで日本海に行ったことがなかったな、いっちょ行っとくか、というのが今回のライドを思い立った理由の一つでもある。

装備

装備はフレームバッグとサドル下に防水のスタックバッグにLezyneのツールケース、そして Raphaのトレイルヒップパックである。中には以下の内容を分散。

これまではライドが終わった後のためにTシャツと短パンの着替えを用意していたが、今回は7meshのテクニカルTシャツとトレイル用ショーツをライド中もライド後も着用することにして軽量化を図ってみた。 7meshのテクニカルTは乾くのも早く、汗で汚れにくい上に汚れていたとしても温泉施設で手洗いした後にまた着用することができ、とても便利なのでお勧めしたい。

市川-糸魚川

起床から日の出まで

起床は2時ジャスト。色々コンビニなどに寄って準備が終わり、出発したのは2時24分とのこと。グロスアベレージ22km/hで3時出発として、到着予定は18時48分であったので、約30分のアドバンテージ。ちなみに、7年前は日が落ちるまでに着いていたので、はておかしいな、と道中不思議に思っていたがなんのことはない、7年前の出発時間は1時45分であった。どおりでラーメンショップで昼飯を食べる余裕があったわけだ。

そして不思議なことはもう一つ。60から65km地点あたりは高尾山ふもとの高尾駅で夜明けを迎えるはず、そこで朝食を、と思っていたのだが、何故か高尾駅に着かない。

おかしい、そろそろ大垂水峠を登っていなければおかしいはず、、ナビのルートが狂ったかなどとドギマギしてると着いたのは相模湖であった。適当にルートを引くと想定外のコースを走らされる羽目になるのでちゃんとチェックしておいた方が良い。まあ、今回は序盤の強敵になるはずであった大垂水峠をパスできたので嬉しさ半分であるが。

甲府盆地を抜けて

相模湖までの道中は、通りで見覚えのない道ばかりだったと一人合点したのだが、他もどうもおかしい。7年ぶりとあってか甲州街道の道も全く覚えていない。笹子峠までの道にこんなところあったっけ。さすが7年ぶり。

記憶していたよりも長い距離を走らされて笹子トンネルを通る。

そして甲府盆地へ。

甲府盆地も甲府盆地で、その道のりも全く覚えておらず全て新鮮。というかこんなに気持ちのいい風景の盆地だったっけここ?

残念ながら南アルプスの山々は雲に遮られて拝めず。

次にまた走るときに覚えているように道中写真を撮る。

富士見峠は流石に覚えていた。

諏訪、そして松本

富士見峠から諏訪湖までは基本下り基調なため、あっという間に諏訪湖まで到達する。しかし道中200kmあたりにくるとそろそろ普段ロードバイクを乗っていない影響が出始め。

10年前に登った時には「後からこの日記を書いてみるとちっとも辛かったという記憶が無かった。」とか余裕をぶっこいていたのを覚えていたため、大したことないだろうと油断していた塩尻峠が思った以上に手強く、予想以上に体力を削っていった。

どうにかこうにか松本に入るがそこから白馬まで緩斜面の登りが続く。

30km/hどころか、どうにかこうにか20km/hペースを維持しながら、昔昼食をとったラーメン大学を横目に昼休憩などをとる時間もないタイトなスケジュールをこなすためにひたすら漕ぐ。

木崎湖、青木湖を通り、

白馬に。

白馬から日本海

白馬の時点で300km。残り50kmは延々と下り。精も魂も尽きたので白馬駅で温泉にでも浸かり、美味いもん食べて輪行して帰ってもいいんじゃないか?と悪魔が囁いたが残りはたかだか下り基調の50kmである、もう少し頑張ればすぐに着きますよ!と天使が励ましてくる。悪魔の囁きには負けるまい、と最後の気力を奮い立たせて白馬を発ったが、

実際のところ悪魔が天使で、天使が悪魔であったと気づいたのは延々と続く灯りも乏しいトンネル群が待ち構えていたからであった。

なんで白馬から糸魚川の下りのトンネル群がこんなにヤバイということを忘れていたのであろうか?最長5.5kmのトンネルを筆頭に、大型車が脇を通り過ぎていく狭くて暗いトンネルがこれでもかと続く。実際のところ命の危険を感じる。その後の写真が無いのは致し方無し。糸魚川駅近くの温泉に浸かり。

日本海も拝まず早々と退散した。

  • 距離 349.04km
  • タイム 15:37:06
  • 高度上昇量 3,023m
  • カロリー 6,350C
  • 到着時刻、18:01
  • 平均スピード 22.3km/h
  • 平均移動速度 24.6km/h

到着時点でGarmin 935の電池残量は10%、Trimm Oneの方はというと58%。50hバッテリーが保つという謳い文句と比べると若干ふかしすぎかなという気がしないでも無いがだいぶ優秀である。

とりあえず日本海まで自転車で走って糸魚川から輪行すればその日のうちに帰ってくることがわかったので満足である。