: O. Yuanying

佐渡国際トライアスロン

現状、最大の目標は アイアンマンになること だったわけだが、 日本国内でアイアンマンが開催されない現状の中、 その、アイアンマンよりも距離が長い、国内最長のロングレースである佐渡国際トライアスロンに参加して、 アイアンマンよりも先にアストロマンという妙な肩書きがついてしまうことにたいして躊躇いが無かったと言えば嘘になってしまうが。

9/2-9/5 と、佐渡国際トライアスロンに参加してきましたよっと。

9/2

開催は 9/4 というのに余裕の 9/2、現地入り。

台風のため、ついったーでスイム中止との RT が飛び交うが、 元のツイート以上のソースを見つけられなかったのであまり気にしない事にする。

先に宿に届いていた自転車を組み立てると、

少しばかり試走。

受付会場でエントリをしてしまおうかと足を伸ばしたが受付時間外。 宿に戻り漫画を読みながら就寝。

9/3

ニュースその他で台風12号の深刻な被害が報道されるも、 佐渡は比較的無風、そして晴れ。

前日、夜中の2時ごろまでかけて課長島耕作 - 常務島耕作を読んでしまったため寝不足。 何気に泊まった宿の漫画コレクションがすごい。 裏には漫画喫茶のシールが貼ってあることから、 多分この宿のオーナーは昔漫画喫茶をやってたけどつぶしてしまい、このペンションを始めたんだろうな、などと下世話な想像。

前日できなかったエントリを完了。

焼肉を食べてレースの準備をするとすでに夜の九時であった。 翌日の朝飯は3:30、これじゃ6時間寝れじゃないかなどとぶつくさいいながら就寝。

9/4

レース当日。

雨も降っていなければ風も強くない。台風はどこに行ってしまったんだろうか?いや、まだ来てないだけか。

憧れの、まだ夜が空けない中でのトランジションのセッティング。

海は穏やかだが、協議の結果スイムの距離が 3.8km から 2km に短縮されたことが発表される。 たった 1.8km とはいえ、フルのロングレースに完走したと堂々と胸を張って言えなくなってしまったなと少し残念に思う。テンションダウン。

そんな中、空に虹がかかる。これはレースの参加者全員を天が祝福してくれているに違いない! と一瞬思ったが、近くにいた他の参加者の一言で、

  • 「こりゃ、あっちの方で雨が降ってるんだな。」

テンションダウン。

Swim 2km

前回の失敗 を教訓として、 今回のスイムは大外後方からスタートしようと陣取ってみるが、すごい人だかり。 なんだなんだ、みんな同じこと考えてるだなとキョロキョロしてたら理由判明。件の芸能人ご一行様が近くに陣取ってました…。

仕方なく真ん中後方に移動。

スタートともにすごいバトルのプレッシャー。

今まで経験してきたトライアスロンであれば、最初のバトルが激しかったとしても徐々にばらけて楽に泳げるものだが、、 さすが 810 名一斉スタート。最初から最後までバトルであった…。3.8km 泳げばもう少しばらけたのだろうか。

波はほぼ無く、べた凪で泳ぎやすかっただけあって残念であった。

  • スイム 2.0km。 Time 0:39:16 (127位通過)

徳之島の時 ほどひどくはないものの、 それほど褒められたタイムではなかった。

Bike 190km

今回の佐渡国際トライアスロンは、実ははじめてづくしのトライアスロンになる予定であった。

  • はじめてのスイム 3.8km
  • はじめての無休憩ロングライド 190km
  • はじめてのフルマラソン

はじめてのスイム 3.8km が短縮されただけでだいぶ楽になった気がしたが、 まだまだ気を引き締めなければならないことは間違いない。 何と言っても自分は 190km のロングライドを一回の休憩も無しに走りきったことが無いのだ。 どのようなペースで走れば良いのかわかりゃしない。しかもその後にフルマラソンが控えているとなれば…。

いかにして体力を消耗せずにゆっくりと、それでいてできるだけ速く走るのか。

世の中には LT値だとか AT、VT とかよくわからん数値があることは知っているが、 自分が一体どのような値段付けがされているのかわからないのでそもそもそういった知識は役に立たない。 ただ、持続的な運動ができる値以上の運動を持続して行おうとするといずれ破綻すると言うことらしい。

何か確証があった訳ではないが、 今回のトライアスロン、バイクからランまですべて平均心拍数 140bpm を目指して走ることに決めた。 といってもバイクの場合は坂があるので、上り坂の時のみ 150bpm を制限とした。

ただ、この上り坂心拍数 150bpm 制限はなかなかに厄介で。 まず、確実に上り坂では人に抜かれる! 平地や下り坂で抜きさった相手に上り坂で置いてかれるというのはなかなか恥ずかしいパターンであって…。 かっこ悪くて…、情けない。

それでもこの制限が正しかったのか、最後の方の上り坂では抜かれるより抜去る数の方が多かった。 みんな疲れてたのかな。いや、ボクが正しかったのかな!

そしてこの 140bpm という制限はなかなか嬉しい副作用をもたらしてくれた。 何かと言うと、腹が減る。

前回の徳之島のバイク においては、用意しておいた6個の補給食(PowerBar)を全部食べることはできず、 結局食べたのは最初の2パックのみであった。 高強度の運動をしていると胃が食べ物を受け付けないと言うのはホントウだったのだ。

今回のバイクにおいては20kmに一回のPowerBarと、梅干し1パックを補給食として用意したが、 それだけでは足りずエイドステーションでオニギリやバナナを受け取ってちょうど良かったくらい。 おかげで今回のロングでは体力が無くなったと感じたことは一度も無かった。

思ったよりも通過順位が良い。ちょっとビックリ。

Run 42.2km

トランジションで靴を履いて走りだしてみたところ、 それほど体力の消耗は感じない。 しかし、今回、これがはじめてのフルマラソン。 もちろんペース配分なんて知る由もない。35km の壁とやらにぶち当たったことも無い。

無理をせず行こう。

後から見直して知ったのだが、前回の徳之島のラン では何と、平均心拍数 147 bpm!で走っていたらしい…。

しかし今回は、心拍数 140bpm を心がけて…。 といっても最初は調子のってたので少し高め。 最後の方は足が動かなくなって低めになり、結果的に平均心拍数 140bpm に落ち着いた感じ。

佐渡は何かと持ち出す徳之島と比べてエイドステーションの数が少ない。 そこでボクはコーラを一杯飲み干す、「ウマイ!」

今までのトライアスロンでは頑にエイドステーションでの補給の選択肢はアクエリアスか水、そして梅干しのみであったが、 今回は胃に余裕があったことからイロイロ試してみることにしたところコカコーラがヒットした。 水分補給をしつつカロリーを摂取できるという素晴らしい飲み物では無かろうか、何よりウマイ。

それでも全てがメリットしか無いという物がこの世に存在することがあるわけもなく、 口からケプ、尻からブヒと前から後ろからはしたない空気を吐き出しながら走る羽目になった。

  1. スポンジで頭から氷水をかけて体を冷やす。
  2. コカコーラを一杯飲み干す。
  3. 氷水を一杯飲み干す。
  4. 腹が減りそうだったらオニギリをほおばる。
  5. 余裕があったらオレンジを2-3切れ。
  6. 梅干しを口にいれ、走り出す。

食べ過ぎであろうか?食べ過ぎであった。

徳之島の経験で、@sassea34 との勝負の敗因は、「歩いたこと」であった、と思った。 今回のフルマラソンは歩くのはやめよう、と思っていた。

最後の 35km 付近で歩いてしまった…。 決して気力が萎えた訳でも何でもなく、腹痛で…。食べた後に走った後に起こる、あの症状、横っ腹の痛みだ。

菊池弁護士は走っていた、東野も走っていた、田中美沙子(と、@sassea34は言っていた。) も走っていた…。それなのにボクは歩いてしまった。ノッチは歩いていた。

裏目標であった「歩かない」が未達成になってしまったが、 それでも気分を入れ替える。ポジティブに。歩かないと言っても、結局エイドステーションで立ち止まって、歩いていたじゃないか! 歩かないなんてそもそも無理だったんだよ、関係ないさ、歩いてもたどり着けりゃいいんだ!

気づくと満身創痍であった。

エイドステーションでちょっとストレッチでもやっておくかと思ったのが間違いであった。 足の筋肉がガチガチのバリバリであった。

気づいてしまってから、今まで動いていた足が動かない。 心拍がいつの間にか130まで落ちる。 8:00/km までペースが落ちる。

最後の3kmで驚く人数のトライアスリート達に抜かれた。

どこにみんなこんな体力を残していたのだろう?? ペースを上げるその他の人々、ペースが下がり続ける自分、そして無神経に残り距離をトライアスリート達に教える応援の人々。 だいたいこれらの人々の残り距離申告は 前後 500m の誤差があった。 ともすれば残り 4km と聞いた後 1km 走って、残り 4km と聞くことになる。 そのうちにガーミンの距離表示も信じられなくなってくる。

人間不信になり、機械不信になり、 バイクの時にはガッツポーズや手を振り、あらんばかりの笑顔で応援に感謝していた自分も表情が硬くなってくる。

そのうち、何も考えたくなくなって、

無感動のままゴールに飛び込んだ。ガッツポーズはしたかもしれない。

総括

  • スイム: 00:39:16 (127位)
  • バイク: 06:29:33 (63位)
  • ラン: 04:42:32 (224位)
  • 総合タイム: 11:50:23
  • 総合順位: 121位 / 700人(完走) / 上位 17.28%

100位以内に入れるといいな、と思っていたがやっぱり無理であった。 相変わらずランが足を引っ張っているのは間違いが無い。

もし、もしも最後のランがサブ4で走れたのなら、などという妄想を抱いたが、 妄想である。 次回はその妄想を実現したい。

エピローグ

一緒にレースに出ていたはずの @sassea34 が、 待てど暮らせど一向になってもゴールに帰ってこない。 そういえばランの折り返し地点でも出会わなかったな、と思い返す。 嫌な予感が頭をかすめる。 そういえばバイクで走っていた時に救急車のサイレンの音が聞こえたなと。

1時間程度たったころ、もう一度リタイアの記録でも見てみるかと確認しに行こうとゴール前から離れたところでやっと、 1130番と聞き慣れた名前がコールされた。

1時間差。完勝である!

9/5

ジェットフォイルを待つ時間の間にビールを飲み、寿司を食らった。

新幹線に乗っている間、ビールを飲み、ピーナッツを齧った。

ポリポリ。