: O. Yuanying

要求収集の進め方

ユースケース導入ガイド」という本を買って読んだのでそのまとめ。

要求収集をFacade、Filled、Focused、Finishedという4つのフェーズにわけ、イテレータブル且つインクリメンタルに要求収集を行う。

Facade
・目標
提案されたアプリケーションに対してユーザが行うことが予想される、 個々の主要な相互作用の記述場所を確保すること。
・要約
アクターとシステムの間の最も重要な相互作用を表す。 セキュリティ、監査、バックアップ、リカバリといった活動は、 主要なビジネス相互作用を支援するものなので後のイテレーションに回す。
・役割
  • 要求分析者:Facadeユースケース、ユースケース図、ビジネスルールの作成。
  • 関係者:インタビューへの参加。
  • 技術アーキテクト:仲間内でのレビューの出席。
  • プロジェクト管理者:作業ステートメント作成支援、問題ステートメント作成支援。
・成果物
  • システムコンテキストユースケース
  • 問題ステートメント:完了。ただし将来改訂する可能性アリ。
  • 作業ステートメント:完了。ただし将来改訂する可能性アリ。
  • リスク分析:完了。ただし、リスクは全てのイテレーションで追加または 削除される。
  • Facadeユースケース:後に機能が書き込まれる領域としての枠組み。
Filled
・目標
アプリケーションについて記述してるユースケースとビジネスルールを、 包括的に揃えること。
・要約
システムを記述するのに十分な情報が集まっている。 多くのプロジェクトにおいては、 このイテレーションにおいて作成されたユースケースと同程度のものを使って、 設計を開始することができる。
・役割
  • 要求分析者:ユースケースとビジネスルールの詳細情報の追加。
  • 関係者:インタビューへの参加。
  • 技術アーキテクト:非機能的要求の決定支援。
  • プロジェクト管理者:作業ステートメントと問題ステートメントの更新。
・成果物
  • 問題ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • 作業ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • リスク分析:追加されたもの。
  • Filledユースケース:基本フロー、代替パス、例外パス。
  • ビジネスルール:一覧の初版を作成。
  • 非機能要求:開始。
  • シナリオテスト:重要なユースケースのシナリオを書き、テストする。
  • ユースケースの追加
Focused
・目標
明らかにされた選択肢のうち最善なものを選択して、 プロジェクトの適用範囲に含めるようにする。 →重複するプロセスを除去する。 ドキュメント作業の方針が整理整頓されて、 明確なプロジェクト要求だけが残される。 本質的なことと、単なる願望を区別する。 適用範囲を注意深く検討し、無駄を排除すること。
・要約
ユースケース間に存在するすべての依存性を明らかにして、 可能なところでは常に整理統合を行う。
・役割
  • 要求分析者:仮定が正しいことを確認するためにインタビューを行う。 インタビューによりユースケースの整理統合。
  • 関係者:インタビューへの参加。
  • 技術アーキテクト:非機能要求の洗練化。レビューへの参加。
  • プロジェクト管理者:作業ステートメントと問題ステートメントの洗練化。
・成果物
  • 問題ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • 作業ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • リスク分析:追加されたもの。
  • Focusedユースケース:ユースケースを洗練。
  • ビジネスルール:一覧の初版を作成。
  • ユースケースの追加、統合
Finished
・目標
ユースケースに非機能要求を統合して、 ユーザインタフェースに関する要求を加えまとめあげる。
・要約
要求の収集が完了する。 設計の過程で実装されることになる、 ユーザーインターフェース要求の概要を記述する。
・役割
  • 要求分析者:ユースケースの整理統合。
  • 関係者:承認への関与。
  • 技術アーキテクト:非機能要求の洗練化。レビューへの参加。
  • プロジェクト管理者:作業ステートメントと問題ステートメントの洗練化。
・成果物
  • 問題ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • 作業ステートメント:改訂されたもの、もしくは変更なし。
  • リスク分析:追加されたもの。
  • Finishedユースケース:非機能要求をステレオタイプとして追加。
  • ビジネスルール:変更。
  • ユーザインターフェースガイドライン:開始して完了。