超能力!ゴキブリスペシャル!!
西岸良平の漫画は好きなのですが、 特に初期の頃の今よりさらにのんびりシュールな作風が好きです。 (「日本アルプスの雪は金色」「では北海道の雪は?」「三原順子!」みたいな。)
って、何かMHの「超能力!ゴキブリスペシャル!!!!」を読んでから最近西岸良平熱が再発してるわけですが。。
だって、これですよ思い出さないわけが無い!明らかに確信犯。
このゴキブリスペシャルというのはテレポーテーションの能力なのですが、 なんでテレポーテーションが「ゴキブリスペシャル」になるのかというと、 要するに「ゴキブリ効果」なんですな。
さる大学のゴキブリ学の権威である教授(なんじゃそりゃ)がみつけた世界的な大発見である「ゴキブリ効果」。 これは1000匹のゴキブリを集めて密封したびんの中に閉じ込め加熱した後に、 死んだゴキブリの計測を行うと、 約1%のゴキブリがびんの中から消失しているというもの。
この教授は何故ゴキブリがびんの中から消失しているのかまでは突き止められなかったらしいですが、つまりゴキブリのうち約1%にはテレポーテーションの能力があったということなんですな。
んでこの短編はそのゴキブリの超能力に気づいた主人公が、 その能力を使ってどうのこうの、、という話ではないです。
はっきりいってゴキブリ効果やゴキブリスペシャルってのはこの短編の本筋にはどうでもいい事なんですよ。
本筋は、毎日毎日、変わらなく単調な仕事(この人の場合はゴキブリの計測ですが)、 なんとかしたくても変わらない今の状況、 やるせなさみたいなのを何とかしたい、 時分はまじめにコツコツやっているのに認めてくれない状況。
西岸良平って本筋だけ見るとなんかホロリとするものが多いです。
こういう、本筋と、さらに本筋と関係ない演出に力を入れるという、話に関係ないのなら無茶苦茶やってしまえ精神
というのは、
藤子不二雄にも通じるものがあって私は好きです。