: O. Yuanying

年を取るほど一年が短く感じられる理由

わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんのエントリー、「年を取るほど一年が短く感じられる理由」を読んでいて昔読んだ藤子不二雄の短編で年を取るほど時間の進みがはやく感じるという現象を扱ったものがあったのを思い出しました。

どんな話だったかなあと詳細を忘れたのでぐぐってみると年を取ると時間が経つのがはやくなる理由について語っているのをいくつか見つけた。

この年を取る理由というものにもいくつかあって、例えば、タモさんの説によると、年々自分の身体能力が衰えていくため、同じ事をやるのでも昔に比べて多く時間がかかる。だから、同じ時間内でやれる事の量がどんどん減っちゃうので、相対的に時間を短く感じるというものや、人間の体感時間は、それまでに生きてきた時間の総和と比較される。一度経験したことがあることは、再び経験する時に時間を短く感じるので、経験量が増えれば増える程、時間の経つのを早く感じるという説などがあるらしい。

この二番目の説を定量的に扱ってるのが「わたしが知らないスゴ本...」さんのエントリーで面白いな、と思ったところなのだけど、今まで私が考えていた「年を取るほど時間を短く理由」というものはちょっと違ってたりする。

年を取れば取るほど時間を短く感じるのは、要するに好奇心の欠如、慣れなんじゃないかと。

人間の脳内にある神経細胞(ニューロン)は、生まれたばかりの頃一番多くそして年を取るほどに少なくなっていく。人間の感覚というものは要するに神経細胞どうしのコミュニケーションであり、これがどんどん少なくなっていくということは刺激に対する感受性が低下するということ。つまり「慣れ」が生じる。

慣れが生じるということはどういうことか?何も感じなくなるということ。ぼーっとしている間に何が起こったかについてすべて覚えてる人はいるだろうか。隣に知らない人がいて何か喋っていたとしても何も覚えていないだろう。それらは全て慣れによって無視したのである。無視したものはどうなるかというと、つまり体感的にその間の時間はすべて無かったものと同じになる。

年を取れば取るほど、物事に慣れてくる。色々外界に情報は転がっているのだが自分に必要なもの以外無視するようになる。そして年を取れば取るほど処理する情報自体が減少して行き、同じ時間をすごしていたとしても、若い人と老人とでは感じる時間が異なってくる。

密度の濃い一時間と密度の薄い一時間では(確かに忙しく感じていると時間は短く感じるというが、それとは別の次元で)感じる時間の長さが異なってくるのではないかと思う、というのが私の考える「年を取るほど一年が短く感じられる理由」である。